ソファーで快適にPCゲームを楽しむ方法は? 安楽なプレイ環境を真剣に考えてみた結果 | WIRED.jp

PCゲームの環境づくりと聞いて、ソファーを思い浮かべる人はほとんどいないだろう。たいていの人は、しっかり座ってゲームをするために最適なゲーミングデスクとチェアからなる、派手な「バトルステーション」を想像するはずだ。

しかし、パンデミックで多くのオフィスワーカーが在宅勤務を続けているいま、仕事と「エーペックスレジェンズ」を同じデスクですることはあまりいいアイデアとは言えない。そこでソファーの登場だ。

ソファーでゲームといって最初に出てくるのが、テレビと向かい合ってワイヤレスで遊ぶ家庭用ゲーム機だろう。マイクロソフトとソニーはそれぞれ、プレイヤーがソファーからゲーム世界に没頭できるような魅力的なスペックを備えた新しいゲーム機を発売している。しかし、もしあなたがPCをもっているなら、“ソファーでゲーム”の選択肢はもっと広い。

次世代のゲーム機は驚くほど高性能だ。しかし、よく考えてみれば、これはソフトウェアの性能を最大限に引き出すことに特化した一種のミニPCである。実際のところ「Xbox」の責任者のフィル・スペンサーは『WIRED』US版との6月のインタヴューで、「キーボードやマウスを使ったり、メールを作成したりはしませんが、家庭用ゲーム機の使い方はPCと似てきています」と語っている。

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確かに300〜500ドル(約31,000〜52,000円)もする次世代ゲーム機を買えば、ソファーで最高のゲーム体験を楽しめるだろう。でも、もしすでにゲーミングPCをもっているなら、とても長いHDMIケーブルを買うだけで同じ体験ができるかもしれない。

これはいたってまじめな提案だ。ソファーに座ってPCゲームを楽しむほうが、プレイできるゲームの種類は増え、プレイ環境も快適になり、よりパワフルな性能を楽しめる可能性がある。

PCとテレビをどうつなぐか

家庭用ゲーム機とは違い、ソファーでPCゲームを楽しむ際にお決まりの方法はない。2013年にはValveが「Steam Machine」というデヴァイスを発表し、家庭用ゲーム機をPCに置き換える壮大な戦略を開始した。このSteam Machineは、Valveが独自開発したLinuxベースのOS「SteamOS」で動作するゲーム機風のデヴァイスだった。

このマシンが鳴かず飛ばずで終わると、Valveは、PCゲームをテレビにストリーミングできる「Steam Link」をリリースした。このときのハードウェアは汎用性と信頼性の高さが大いに称賛されたものの、結局18年に販売終了となっている(本体とソフトウェアのサポートはいまも続いている)。

だが、定番のシステムがない状況はチャンスとも考えられる。PCゲーマーたちが自分独自の使い慣れたシステムを構築すればいいからだ。

今回はゲーム環境をイスからソファーへと移すために、25フィート(約7.6m)もの長さがある価格16ドル(約1,670円)のHDMIケーブルを使うことにした。このケーブルを使うことで、仕事にも使っているゲーミングPCを壁掛けのソニー製テレビにつないだのである。

テレビの向かい側には、散らかってはいるが座り心地のいいソファーがある。ケーブルが見えてしまうのは不格好だが、これのおかげで遅延が問題になることはない。

お気に入りのテレビがHDMIケーブルの届かない場所にある場合は、ワイヤレスにする必要があるだろう。話を聞いてみたPCゲーマーたちのなかには、eBayで中古のSteam Linkを入手したり、そのソフトウェアを購入したりした人もいた。

また、NVIDIAの「GameStream」を買ったという人もいる。NVIDIAの「Shield TV」をもっていれば、PCからテレビにゲームをストリーミングできるからだ。どちらの方法を選んだとしても、やるべき設定はほぼ同じになる。ドングルをテレビに接続し、ソフトウェアをPCにダウンロードすればいい。

ワイヤレス接続では遅延が発生するが、これが大きな問題になるのは動きの速いシューティングゲームをプレイしているときくらいだろう。シミュレーションゲームやストラテジーゲームなら問題にはならない。ただし、インターネットにつないだPCでゲームをすることに慣れている人なら、わずかな遅延にも苛立ちを覚えるかもしれない。

マウスとキーボードはどうする?

PCの画面をテレビで再生することは、最初のステップにすぎない。ほかにも考えることは山積みだ。

そのひとつがマウスやキーボードの場所だろう。ソファーでPCゲームをするために新しいものを買うべきか。あるいは、大学時代の教科書を積み上げて、その上で安いワイヤレスマウスを動かすだけでよしとすべきだろうか。

38歳のスター・サルツマンは以前、マウスとキーボードを使うために幅8フィート(約2.4m)もある木製のセールボート用シートをソファーをまたぐかたちで置いて利用していたという。現在は、金属のトレイとワイヤレスのUSBドングルで、ワイヤレスマウスとキーボードの接続可能範囲を広くしているそうだ。

ロジクールの安いトラックパッド付きワイヤレスキーボードを使ってメニューを操作しているというゲーマーもいる。ただし、ゲームをプレイするときはUSBハブに接続した古い「Xbox One」や「Xbox 360」のコントローラーを使うという。

普段からゲーム専用マウスとキーボードを愛用していて遅延は耐えられないというゲーマーには、別のツールをおすすめしたい。キーボードとマウスパッドが組み込まれたクッション付きの大きなラップボードだ。

ラップボード「Corsair K63」を開発したCORSAIR(コルセア)に開発の狙いを尋ねたところ、「デスク上でマウスとキーボードを使うときの感触やパフォーマンスを備えた製品を、ソファーで利用できるかたちで実現することです」と答えてくれた。また、「素早い動きや複雑な動きをするPCゲームを居間でプレイするとなれば、デスクトップで標準とされるメカニカルキーボードやマウスを使うことのメリットは明らかです」とも話している。

ゲーミングラップボードは、いま入手が難しい状況だ。CORSAIRによると、K63は非常に人気があり、多くの国で在庫切れになっているという。ちなみに今回は、メカニカルキーボードと大きなプラスティック製マウスパッドを備えた分厚いラップボード「Roccat Sova」の中古品をなんとか手に入れることができた。これは素晴らしいデヴァイスで、人間工学に基づいて設計されているうえに、遅延が少なくて品質が高いなど、あらゆる条件を満たしている。

今回はRoccat SovaをつないだUSB延長ケーブルを壁沿いにはわせて、タワーPCの背面に接続した。コントローラーの利用が推奨されるゲームについては、Xbox Oneのコントローラーをつないで使っている。

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PHOTOGRAPH BY JUTHARAT PINYODOONYACHET

PCを自作するのもいい

ソファーでPCゲームを楽しむ理由は、快適さだけではない。「リーグ・オブ・レジェンド」や「World of Warcraft(ワールド オブ ウォークラフト、WoW)」など、PCでしか遊べないさまざまなゲームを楽しめることや、マシン自体のパフォーマンスが高いことも理由だ。

小型のゲーミングPCなら、500~1,500ドル(約52,000~15万6,000円)も出せば自分で組み立てられる。コントローラーに使えるようBluetooth対応が理想的だ。家庭用ゲーム機の代わりになるシステムとしては、これが最も費用対効果が高い。

「Xbox Series X」2台分のお金を出せば、高性能な小型PCが余裕で手に入る。パーツの交換に慣れている人なら、ゲーム機より長く使い続けられるだろう。

小型のPCケースは、まさにそのために存在していると言っていい。小さなPCをテレビかプロジェクターにつなげば、「Crawl」や「Stick Fight: The Game」、「Overcooked 2」「TowerFall」といった最高のインディー系パーティゲームをプレイできる。画面を切り替えれば、お気に入りのK-POPグループの最新ミュージックヴィデオを見ることだって可能だ。

PCはソファーの後ろに置き、ごちゃごちゃになったケーブルが見えないようにして、コントローラー用のUSBハブをつないでおけばいい。ただし、ホコリはできるだけ払っておこう。

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PHOTOGRAPH BY JUTHARAT PINYODOONYACHET

ただし欠点も

ごちゃごちゃのケーブルを管理するか、遅延を許容するか、どちらかを選ばなければならない。ワイヤレス機器を増やせば視界に入るケーブルの数は少なくなる。遅延をなくしたいなら、EthernetトケーブルやUSBケーブル、コントローラーのケーブル、HDMIケーブル、それに音声用のケーブルが必要だ。今回は遅延を少なくすることを選んだ結果が、リヴィングルームにあるソファーの背後を写した上の写真である。

それにゲーム中であっても、仕事用のPCを使っている気分になりがちになる。家庭用ゲーム機と違ってメールの通知が表示されるかもしれないし、Twitterのフィードをチェックしたいという気持ちに駆られるかもしれないからだ。日々の雑事から完全に離れる機会は失われてしまう。

だが、ゲーム環境をデスクからソファーに移せば、身体的には大いに快適になる。ソファーにゆったりと腰かけ、ドリンクを片手にしながら、あるいはお菓子を食べながら長時間にわたってゲームを楽しむのは、本当にリラックスできるひとときだろう。少なくとも試してみる価値はあるはずだ。

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著者: ” — wired.jp

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